ホンダCR110精密イラスト 制作過程をご紹介
ホンダCR110イラストを描く
描き進め方等は現在と違いますが、
手描きイラストの制作過程をご紹介したいと思います。
画材はキャンバスにアクリル絵の具、筆は主にナイロンの面相筆を使用していました。
画角は実際の箱のサイズとほぼ同じF4号。
通常は使用サイズより大きめに描いて縮小することで細密さをさらに出すのですが、
当時はそんな知識もなかったので今にしてみればもっと大きいサイズで制作していればと思います。
線画~下塗り
まずはプリントアウトした写真の下にカーボン紙を敷いて鉛筆でトレースをします。
この時強く力を入れてしまうと線が強く出すぎて最後まで線が残ってしまうので軽めにトレースをします。
トレースが出来たら薄めに溶いた絵の具でおおまかな色を塗り全体の色味を決めていきます。
質感の表現は後々するのでここではざっくり描きます。
エンジン
全体の色味が分かると今回のキモになるエンジン部分に手を入れます。
このバイクの特徴的な「ミッキーマウス」とも呼ばれるカムシャフトカバー、
シリンダーやクラッチカバーの同じ銀色でも質感の微妙な違いを描き分けます。
ここでもまだ全体を見ながらなので下塗り程度にします。
ホイールその他
ホイール、ゼッケンプレート、キャブレターなど残りの部分の下塗りをします。
全体に色が入り下塗りが終わったので少し安心しますがまだまだ先は長いです。
質感を描き分ける1
ここでスタンドと地面に落ちている影が不要とのことで修正しました。
細かいネジ等を描きながらそれぞれの質感を描き込みます。
金属部分は写真だとどうしても映り込みの影響で暗くなってしまうので、明るめにしつつ金属の印象が出るように注意して描き進めました。
エンジン部分もだいぶ形になってきました。
質感を描き分ける2
全体的に一通り描き込みができました。
ここでは8割くらいの仕上がりでこの後バランスを見ながら仕上げに入ります。
ブラッシュアップ
ホンダのレトロなウイングマークやカムシャフトカバーの文字を描き入れます。
最後に金属部分やフレームにハイライトを入れて完成です。
データ納品が主流ですがこの時は珍しく原画納品でしたので、スキャニングしてゴミ取りをして色味を微調整してという作業はありませんでした。
今ではパソコンを使えば簡単に加工や修正が出来てしまいますが、手描きの原画ならではの魅力があると思います。
まだまだ技術的につたないですが、また新しい作品をご紹介出来たらと思います。